【Watch】風景としてのスポーツ(メルボルン編)
2/8〜2/12にかけて、豪州・メルボルンに滞在した。
主目的は“NitroAthletics”(ニトロアスレチックス)観戦。
競技の詳細は後ほど本ブログか別途記事にて纏めたいと思うが、
いくつかのメディアや公式HPで紹介されている通り、陸上競技の国別対抗戦である。
実質的な滞在は4日間だが、うち2日間は半日競技観戦で、出来る事も限られてくる。
今回の空き時間は市街地散策に終始した。
日本とは四季が逆の為、現在は夏。
日中はカラッとした晴天が続いた。
豪州はスポーツ大国であり、公園や運動施設では、
老若男女、スポーツマン達が汗を流している。
何をしているのかといえば、3つが多数を占めていた。
ランニング
散策中に遭遇したオーストラリアン・フットボールの練習試合において、
ギャラリーの一人と話した限りでは、その他水泳やバスケットボールも盛んとの事。
自転車のロードレースにおいても豪州は実力者を多数輩出している(リッチー・ポート、マイケル・ロジャース等)が、ことメルボルンに関しては、本格的なロードバイクでトレーニングを行っている人は少ない様に見受けられた。
豪州の中でも、都市によってスポーツの分布が多少異なるのかもしれない。
そして何と言ってもクリケット。
競技人口ではサッカーに次ぐ世界3位とも言われているという(諸説有)。
16世紀の英国に起源を持つ為、本家英国と豪州以外ではインド、パキスタン、バングラディシュ、スリランカ等、英連邦諸国で広くプレーされている。
メルボルンはMCG(MelbourneCricketGround)と呼ばれるスタジアムを擁している。
クリケットの聖地ともいうべき場所で、豪州国定遺産にも指定されている。
普段見慣れないスポーツという事もあり、行く先々でクリケットのゲームが目につく。
各々、白の上下に白帽という出で立ち。
プロリーグになるとスポンサーロゴのあしらわれたカラフルなユニフォームを纏うが、
本来のクリケットにおける“正装”はホワイト、である。
ふと気になった事は、これほどメジャーなスポーツにも関わらず、
自分が見たプレイヤー達はことごとく“服装が統一されている”という事だ。
あくまで私見ではあるが、世界的に裾野の広いスポーツは、
・規則がシンプル
・用具がシンプル
という二つの共通項を持っていると思う。
当然といえば当然なのかもしれないが、
規則がシンプルである事で競技人口が増えやすく、
用具がシンプルである事で金銭的な負担が少ない。
あるいは、用具がシンプルであれば、DIY(自作)を可能にし、
規則がシンプルである事で、審判役を務めやすい、という側面もあると思う。
その中において“服装”は、こだわる必要が無いという点で、
ある意味、ぜいたく品である。
であるからして、クリケットをプレーする“彼ら”が、
白で統一されたユニフォームを着ているという事は、
何を表しているのだろうか、と。
これが場所を跨げばまた様相も変わってくるのかもしれないが、
“そこに根を張っているスポーツは何か”という観点で国や地域を見てみる、
という事をライフワークの一つとしても面白いかもしれない、と感じた。
シンプルな規則と用具が裾野を広げ、その中から英雄が生まれ、熱狂が生まれる。
無論、かつての冒険国家が外海に進出する事で、
“娯楽としてのスポーツ”が根付いたという背景もあるのかもしれないが、
上記のサイクルは今も世界で回り続けていると思う。
流布→英雄→熱狂→流布・・・。
シンプルな循環の様に見えて、二つ目の段階が最も難関である。
例えば日本の陸上競技では、“英雄”が別のものに置き換わっている時もある様に思う。
それもまた、スポーツカルチャーにおける“進化論”の一説、なのかもしれない。
PS:メルボルン滞在中に撮影した写真を少々。